要約:大阪府主催のスマート農業交流会に参加した。大会場は80人以上の席があってほぼ満席の盛況だった。
大阪での活動事例だけでなく、高知から来ていただいて、高知での取り組みの紹介があった。どのような取り組みを行って、どれぐらいの生産性が改善されたか具体的な数値で話を聞くことができ非常に勉強になった。
交流会は大阪府立環境農林水産総合研究所主催
会議室は満員
詳細:
- データ分析して農作業にフードバックすることで、収穫量を20%増加させることが可能
- データ分析により収穫高が改善され、装置投資も確実に回収可能
- 生育中の計測データは、温湿度、日射量、CO2 (発表事例によっては、葉のサイズや、節の数)
- 日照量は自然現象なので、人間が関与できない。主に、温度、湿度、CO2濃度をいかに制御するかが重要
- 温度については、温度が高い方が成長率が高い、一方高い温度を維持するには暖房費がかかる。このバランスを取ることが重要
- CO2については太陽が出て植物が光合成するとCO2濃度が減少する。CO2が減少した場合に、対策を講じる(CO2のボンベを動かすか、ビニールハウスの扉を開けるか??)
- 湿度について、あまり高くなると植物は水を吸い上げられなくなる。適切な湿度で生育させる必要がある
- 土のデータ化は非常に難しい。少し場所が変わるだけで計測データが大きく変わる。土は農家の方々の経験で対応してもらっている(質疑応答より)
- 農作業データ化のアプローチは何種類か用意してある。参加される農家のモチベーション、目標に応じて提案内容を変える
- 高知県が立ち上げたPF;SAWACHI、個人情報はLGWAN*1上で管理、センサ情報はAWSに蓄積
総じて、、高知のデータ活用取り組みはすさまじいと思いました。ですが、、海外では何十年も前から、計測データに基づいた栽培を進めていたそうで、世界標準からすると日本が遅れているだけなのかもしれません。データを測って農作業に反映することで、20%の収穫アップが見込めるという説明は非常に貴重な情報でした。データ分析アプローチが投資を含めてペイできている、まれな成功事例ではないかと。。(GAFAは別にして、、)
■追記
BME280 + マイコン + AppSheetで部屋の温湿度見える化をやってみましたが、植物の生育には日射量と、CO2が必要と分かりまして、日射量センサとCO2センサを秋月に発注しました*2
■追記
退職後の次のフィールドとして、農業IoTってありなの?と思い、どんなものか知るために参加しました。参加してみて、解決すべき課題も多く、また、非常に熱い分野だとは思いました。データの収集や分析、見える化といったシステム側で自分の経験が生かせる部分もあるかと思いました。一方で、、農業IoTは県や農協、大学、企業等で推進されており、参画するとしてもどこかの組織に所属しないと、働けないのでは??とも思いました。クラウドワークスのような緩い契約形態は無いだろうと。。仕事を依頼する方も、長期契約でないと難しいだろうし。。
■追記
IoPコミュニティの活動に興味があり、個人として参加できるのか先方に質問してみた。会則から判断すると、どこかの組織か団体に所属してから参加してくださいと言われそうだ。。農家の方々が参加したいとなったら農協経由で参加するのだろうか。。
事務局より回答があり、「コミュニティは企業体等が対象」とのことだった。まぁ会則もそうなっているし、個人がやってきても困りますよね。。
■追記(2022/11/19)
農業IoT/DXに興味を持ったが、農業はデカい組織で一個人が何かできるというものではなさそうだし、ITに詳しい人も一杯いそうで、自分が特に役立てそうにないと思い、今はトーンダウン(大阪でも交流会あるようですが。。)
■ご参考URL
大阪府/大阪府におけるスマート農業の推進
高知県のIoP
農業イノベーション推進課 | 高知県庁ホームページ
高知県のIoP取り組み(PDF)
https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/160601/files/2021010800303/file_2021120391822_1.pdf
IoPコミュニティ
IoP技術者コミュニティのご案内 | 高知県庁ホームページ
IoP PF Sawachiの通信プロトコルはMQTTらしい
企業の方へ – IoPが導くNext次世代型施設園芸農業への進化プロジェクト
図は、(ホーム>IoPクラウドを使う>企業の方へ)より引用
UECS対応センサユニットA型作製マニュアル | 農研機構
Attainment of Japanese Smart Greenhouse by UECS Platform
www.facebook.com
2019年9月号 | Interface – CQ出版